国政刻刻 お米が余っています

2020年10月22日 カテゴリー:寄稿

米あまりが言われて久しくなりますが今年は特に厳しい状況に陥っています。その原因は主要産地の東北や北海道が豊作であったこと、そして新型コロナウイルスの影響により外食産業の需要が落ち込んだことによるものです。かつては年間800万トンを超える消費量があった米も長年にわたって年間約8万トン減少してきました。特にここ最近は減少幅に拍車がかかり約10万トンもの消費量が落ち込んできています。当然それにつれて生産高も減らさざるを得ず、今年の収穫量は726万トンが見込まれていました。しかし冒頭に申し上げた2つの原因により収穫高が735万トンに増えたのに対し、一方の消費量は715万トンしか見込まれず20万トンもの米が余ることになったのです。

国ではこれまでの生産調整方式を3年前に見直し、地域ごとに需要と供給に応じた作付け方式に変更することで適正な在庫量と米価の維持に努めてきました。しかしこれからはそう簡単にはいきません。なぜなら米は貯蔵の利く穀物であるため来年の生産量に影響を及ぼすからです。今後の需要見通しなどにもよりますが、現在のところ来年の適正な生産量は700万トンを大きく割り込むのではないかと危惧されています。

需要と供給のバランスが崩れると価格が下落します。消費者の方はお米が安く手に入るということで喜ばれるのでしょうが、高齢化が進む生産農家にとって収入の減少は死活問題となり生産意欲の減退は離農につながりかねません。現状でも昨年と比べて1・3万ha少ない136・6万haであった全国の作付面積を、来年はいったいどれくらい減らせばよいのか頭の痛い問題です。需要喚起のために外食産業への支援は引き続き行いますが、ぜひ一般消費者の皆さんにも米に関する問題にご理解をいただき少しでも米の消費拡大にご協力いただきますようお願い申し上げます。